栄養指導とは
栄養素はお互いに影響を与えながら、私たちの体のバランスを保っています。もし、適切な量やバランスを保てないと、体が太ったり痩せたり、不調を感じ、最終的には病気になってしまう可能性があります。
栄養指導とは、食事から摂取する栄養素の量とバランスを適切に保つためのアドバイスや、食事内容の管理を指すものです。
薬剤師の役割における栄養指導
薬剤師が行う栄養指導の目的は、薬の効果を最大限に引き出し、患者さまの栄養状態を理解し、それを生活の質(QOL)の向上につなげることです。
薬の動きに影響を与える栄養素の摂取状況や、特定の食品の影響を正しく評価するため、患者さまの食の好き嫌いや摂取状況を、栄養指導を通じて理解することが重要です。
栄養士や管理栄養士でない場合でも、栄養指導は可能ですが、栄養学の専門教育を受けていない人が本格的な指導を行うことは推奨されません。
薬剤師が患者さまに栄養指導を行う際には、一般的な食事のアドバイスや、「食品と薬の相互作用」についてのアドバイスに限定しましょう。
栄養士との違いは
栄養士法では、都道府県知事の免許を受けた「栄養士」は、主に健康な方への栄養指導を行い、厚生労働大臣の免許を受けた「管理栄養士」は、傷病者への栄養指導を行います。栄養士や管理栄養士の栄養指導は、診療報酬の対象となります。
薬剤師が行う栄養指導の対象は、主に治療中の患者さまですが、栄養士や管理栄養士のような専門的な栄養指導はできません。
お薬をお渡しする際や、服薬指導の場などで、「野菜は食べていますか?」など、さりげなく食事の内容を確認し、魚や野菜などの摂取を促す程度に留め、専門的な指導が必要だと考えられる場合は、栄養士や管理栄養士に情報を引き継ぐことが大切です。